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スクイーズ、グレン・ティルブルック、クリス・ディフォードの楽曲を語るブログ
by songbysong
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(C) 2008 THE MUSIC PLANT


●SONG BY SONG執筆者
☆野崎洋子
THE MUSIC PLANT代表。66年生まれ。グレンの2005/06年のプロモーター、「Incomplete Glenn Tilbrook」を発売。実は2004年以前はスクイーズのスの字も知らなかった。現在はクリス・ディフォードのCDも担当。

☆タイコウチ
mixiのクリス・コミュ管理人。63年生まれ。スクィーズとの出会いは、もはや4半世紀をさかのぼるが、FMラジオ(DJは佐野元春さん)で「Vicky Verky」を聴いたとき。

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SHE MAKES ME
実は、このアルバムの中で、訳すのにいちばん悩まされたのがこの曲でした。ストーリーがあるようなのですが、いくら考えても前後のつながりがいまひとつすっきり見えないという、まさに「Don't make me breakdown」です(笑)。

ですが、わからないままに字面だけを日本語に置き換えるのもなんだか気持ち悪いので、思いきって少しだけ(思いきってとはいっても、ほんの少しだけですが・笑)私の解釈を補って訳してみました。

(私の解釈による)ストーリーを簡単にまとめると、語り手は、ニューヨークで不思議な魅力を持つ年上の女性に出会い、意気投合してドライブにでかけるのですが、途中でどうも彼女の様子がおかしいことに気づきます。でも時すでに遅しで、彼女のせいで何らかのトラブルに巻き込まれ、最終的に2人とも州境の検問所で警察に捕まってしまいます。あとでわかったのは、彼女は元映画女優で、神経衰弱が原因で早くに引退し、その後入所していたノースカロライナの施設から逃げ出してきていたところだった、というものです。

クレジットは、サイモン・ハンソン&グレン・ティルブルックなので、おそらくこの歌詞は、「RELENTLESS PURSUIT」と同様に、ドラムのサイモン・ハンソンのペンによるものと思われます。

タイコウチ


「彼女のせいでぼくは…」

彼女と出会ったのはニューヨーク
ちょっと変わった年上のかわいい女
日焼けした顔に浮かぶ微笑みがとても素敵で
ぼくはもういきなり彼女の虜になった
でもうまくいったのは2日目まで
それでも彼女こそぼくの理想の女だと思っていた

ぼくたちは車で旅に出ることにした
彼女が心の病にかかっているとは知らなかった
彼女の手を握りながら、スピードを落とさなければならなかった

彼女の様子を見てるだけで
ぼくは神経が参ってしまう
彼女のせいでぼくは神経が参ってしまう
ひざまずいたぼくは、彼女に頼み込む
どうかぼくを落ち込ませないでおくれ

ショッピングセンターの駐車場に転がり込んだ
たぶんぼくたちはもともといっしょになる運命にはなかったんだ
そんなぼくの弱気を嗅ぎつけると、彼女はかえって強気になった

すると小型トラックに乗ったあご髭をのばした男に言われた
「あんたたち、運に見放されたような顔をしてるな」
この男なら困り果てたぼくたちを助けてくれるかもしれない

彼女の様子を見てるだけで
ぼくは神経が参ってしまう
彼女のせいでぼくは神経が参ってしまう
ひざまずいたぼくは、彼女に頼み込む
どうかぼくを落ち込ませないでおくれ

州境の検問所で州警察が待ちぶせていた
ジョージアにはどうやらほんとに悪魔がいるらしい

彼女は映画スターになったはいいが
ひどい神経衰弱になって引退し
ローリーだかダラムの施設で隠遁生活を送っていた

どうかぼくを落ち込ませないでおくれ


* ローリー(Raleigh)、ダラム(Durham):ともに米国ノースカロライナ州の都市

(訳:タイコウチ)
# by songbysong | 2009-06-14 11:44 | PANDEMONIUM ENSUES
MELANCHOLY EMOTION
2006年の来日公演でもすでに、パソコンに入った音源をバックにして歌われていたこの曲は、ソロになってからのグレンとの共作曲も多い、クリス・ブレイド(Chris Braide)との作品です。クレジットでは、グレン&クリスの順番なので、かつての「UNTOUCHABLE」と同様に、グレンが作詞で、クリス・ブレイドが作曲ということだと思われます。

この曲も、一聴したポップな雰囲気とは違って、歌詞の内容は、古い友人(かつての音楽仲間?)が、酒に酔って川に落ち、突然亡くなってしまい、その葬式に出てきた帰りの飛行機の中で、語り手は憂鬱な気分に襲われているというものです。

友人の早すぎる死をきっかけに、自分の生の来し方行く末に思いをめぐらすという、苦い後味のする大人のポップソングだと思います。

タイコウチ


「憂鬱な気分で」

これまでの人生、いったい何を手にしてきたのかと考える
なんとか生き抜いてきたが、そうでない仲間も多い
安全ベルトを締めて、飛行機の離陸に備える
憂鬱な気分で

眼下の街並がもう懐かしく思えてくる
機内食のチョイスはどれも好みじゃない
赤ワインを一杯食事にあわせて頼む
憂鬱な気分で

白馬に乗ってパッカパッカと走っている
ぼくの首が誰かに狙われているなんて
どういうことなんだ、こんな夢早く終わりにしてほしい
憂鬱な気分で

はっとして目覚め、ふいに思い出す
きみに何が起こったのかを
酒に酔って
川に落っこちてしまうなんて
きみは一気に水底まで沈んでしまった

きみが欺いた奴らも許してくれたし
盗用した詩のことはもう気にする必要はないのさ
あのときはみんなで笑ったが、今は悲しんでいる
憂鬱な気分で

振り返ってみてもしょうがない、ただ前に進むだけ
きみは先に逝ってしまったが、いつまでも忘れないよ
こうしてさよならを言いながらも、きみとの別れをまだ惜しんでいる
憂鬱な気分で

(訳:タイコウチ)
# by songbysong | 2009-06-12 00:59 | PANDEMONIUM ENSUES
INTEREST & LOVE
ヴァネッサ・パラディとのデュエットも一部で話題になっている(?)この曲は、前作「TRANSATLANTIC PINGPONG」の中の「HOSTAGE」の直系とも言えそうな、馬鹿男の「役立たずの王様」(the king of fuck all)を痛烈に批判し、虐げられる女性に共感を寄せる歌です。

男としては、読んでいるだけでこれは自分のことかとはらはらするような辛辣な歌詞ですが(爆)、「愚鈍さでは誰にも負けないと履歴書にもちゃんと書いてある」(He’s at the cutting edge of dull it’s there on his C.V.)なんて、ほんとに痛快な表現で、思わず拍手を送りたい女性ファンもいるのでは。えっ、こんな馬鹿な男とはつきあってないって? いや、どうも失礼しました(笑)。ともかく、男の眼から見ても、たしかにこういう困った男はいるものです。

最後の「もう誰かいいかげんに明かりを消してくれないかしら」(Somebody please turn off the light)という一節が、またエンディングにふさわしい決め台詞になっていると思います。

タイコウチ


「関心と愛情」

そこに誰かいたなら、気まずくて自分の顔をまともに見ることもできないはず
しかし恥を知らないこの男、自分が育てる子どもたちさえ邪魔に思える
かつては夢もあったが、いつだって野心の方が自分の能力を追い越してしまう
ようやく気づいて、これまでずっと逃れようとしていた仕事にしがみつく

相手に対する関心と愛情があればちゃんとやれるはずなのに
理解しようとする気持ちがあれば簡単なことなのに
口答えをしちゃいけない、あの男は機嫌を損ねてすぐけんか腰になるから
役立たずの王様はいつだっていらついている

やがて時代の規範も変わり、恨みと失望がしみ込んでくる
嫌みな皮肉と昔ながらの体罰で、なんとかこれまで牛耳ってきたが
面倒が大きくなると、もう自分が抑えきれなくなる
火に油を注ぎ、何でも人のせいにするのがこの男の悪い癖

相手に対する関心と愛情があればちゃんとやれるはずなのに
理解しようとする気持ちがあれば簡単なことなのに
口答えしてはいけない、あの男は機嫌を損ねてすぐけんか腰になるから
役立たずの王様はいつだっていらついている

誰もがへつらう役立たずの王様、気まぐれでルールを決める
自分では頭が切れると思っているが、残念ながらかなりのお馬鹿さん
愚鈍さでは誰にも負けないと履歴書にもちゃんと書いてある
ビールの口を開け、尻を掻きながら、テレビに向かって大声でどなる

相手に対する関心と愛情があればちゃんとやれるはずなのに
理解しようとする気持ちがあれば簡単なことなのに
役立たずの王様はいつだっていらついている
もう誰かいいかげんに明かりを消してくれないかしら

(訳:タイコウチ)
# by songbysong | 2009-06-10 20:37 | PANDEMONIUM ENSUES
RELENTLESS PURSUIT
この曲は、ドラムのサイモン・ハンソンとグレンの共作で、クレジットではサイモンが先に来ているので、おそらくサイモンの作詞で、グレンが作曲という組み合わせなのではないでしょうか。

ビーチボーイズ風の明るくポップなコーラスで始まるこの曲ですが、タイトルにもなっている「飽くなき探求」(relentless pursuit)とは、人間がお金(経済性)ばかりを追い求めることのメタファーのようで、あまり明るい内容の歌ではありません。この曲に限らず、このアルバムでのメンバーとの共作曲は、曲調のイメージと歌詞の内容に、良くも悪くもギャップが感じられて、なんだか不思議な感じがします。

タイコウチ


「飽くなき探求」

たったひとりの招待客のためにパーティーを開く
飽くなき探求、昔は楽しめたんだけど
いったい何がきっかけでこんなことになったのか
飽くなき探求、あんなに夢中だったのに
忍び足で問題を避けることばかり考えている
いつもあやふやなままで
ぼくの善意の預金は危機的な残額だけど
それは他のだれのせいでもない

きみにはいわゆる摩訶不思議な魅力がある
ただの水をワインに変えてしまう
ふたりの愛情と信頼の関係ではきみが上手
そしてあとはもう時間の問題

ハロー、ハロー、誰が戻ってきたのかな
飽くなき探求、古くからのぼくの親友
思いつきはたくさんあるが、ひとつもまともなものがない
飽くなき探究、決して手に入らない聖杯
木を揺らせば上から落ちてくるものなのかな
どうすれば真実を知ることができるだろう
ぼくたちはここで何を手に入れたのか
つかのまの喜びも新たな日々の雑用になってしまった

景気、不景気と大騒ぎしてもしょうがない
どうせみんなくたばってしまうのだから

誰もが元気でやっている

そしてあとはもう時間の問題

(訳:タイコウチ)
# by songbysong | 2009-06-10 01:16 | PANDEMONIUM ENSUES
STILL


1月の来日時にも毎回のように演奏してくれたこの曲は、まさにシングルにふさわしいポップな名曲です。しかし(というべきか)、この歌の内容は、やはりグレンと奥さんのスザンヌの関係を歌ったものなのでしょうね。極甘ののろけソングのようにも聞こえます(笑)。

うまいなあと思ったのは、「きみに会えるとなればいつだって/ぼくのスケジュール帳には窓が開くように空白ができた」(Windows would appear in my diary /If there was a chance of seeing you)という部分です。ちょっとしたアニメーションの映像が頭に浮かび、歌い手が彼女に夢中になっていく様子が手にとるようにわかります。

2番の歌詞は、演劇の舞台をモチーフにした内容ですが、マラプロップ夫人というのは、リチャード・ブリンズリー・シェリダンの戯曲『恋がたき』(The Rivals,1775年)の登場人物で、発音のよく似たことばを言い間違えてしまう癖のある女性の名前だそうです。例えば、「He is the very pinnacle of politeness(彼はまさに礼儀正しさの極地だわ)」と言うべきところで、「He is the very pineapple of politeness(彼はまさに礼儀正しさのパイナップルだわ)」というような言い間違いのセリフがあるそうです。スザンヌさん、実は「言いまつがい」が多いのでしょうか(笑)。

タイコウチ


「今でもまだ」

運命のいたずらか、それとも茶葉占いで決まっていたのか
あるいは星に打たれたのか、ともかくぼくらは互いに夢中になった
きみほど素敵な人はいないとぼくには思えた
自立心があって、てきぱき有能で、熱意にあふれるきみのこと
ぼくはあらゆる手段を使って調べあげた
きみに会えるとなればいつだって
ぼくのスケジュール帳には窓が開くように空白ができた

ぼくらは、引き算じゃなく、足し算の関係
ふたりいっしょになれば魅力も倍増、カオスやドラマがなくたって平気
きみをひと目見るだけで、ぼくの魂は空高く駆け上がる
ぼくとマラプロップ夫人、ほれぼれするような姿で舞台に登場
ぼくらに降りかかるたいていの問題は愉快に笑いとばせる
今でもふたりのあいだにきらめくこの火花を
抱きしめていられるこの幸せ
今でもまだ…

きみはぼくを愛してくれるけど、ときには耐えかねて
ぼくのことを気絶するほど殴ってやりたいと思うこともあるはず
でもぼくの器用さが重宝することだってたまにはあるさ
ぼくがかんしゃくを起こして、口喧嘩になることもあるけど
胸の鼓動が速まるのは、きみのせいなんだ
ぞくぞくするほど興奮すると言ったって決して大げさじゃない
今でもまだ…

(訳:タイコウチ)
# by songbysong | 2009-06-06 13:47 | PANDEMONIUM ENSUES